館山市 塩見のパッシブソーラー住宅
少しでも地球にやさしく暮らしたい。建主の思いがこもったパッシブデザイン住宅
(建築形態) 新築一戸建て
(意匠志向) 和洋折衷
(躯体構造) 木造軸組工法平屋建て
(建築面積) 約37.2坪
(延床面積) 約28.1坪
(部屋構成) 2LK+納戸
(建主世代) 60歳代
(備 考) パッシブソーラーシステム(太陽熱・太陽光)
「少しでも環境にやさしい家を作りたい。」
そんな施主さんの思いを実現した環境共生型の住宅です。
暖かい季節には思いっきり自然の光や風をを取り入れて自然に暮らす。
寒い季節には太陽熱を使って部屋暖房や床暖房を。
太陽の熱が余ればお湯を沸かす。
太陽熱とは別に太陽光で電気を発電して供給する。
大きな屋根に降り注いだ雨水は貯めて庭の水まきに。
今はよく言われるようになった環境対応というキーワードを、まだほとんどそんな話が聞かれなかった1990年代後半に実行した施主さんはとても先進的なお考えをお持ちだったなと今でも尊敬しています。
私たちは素晴らしい機会をいただき、とても勉強になりました。
私たちにとってもとても思い出に残る家づくりでした。
※パッシブデザインはできるだけ機械的な方法に頼らず、建築的手法で自然エネルギーを冷暖房に生かす事です。
太陽の恵みをめいっぱい受け止めるために南側の屋根が大きく設計されています。その大きな屋根には太陽熱を利用するための仕組みとソーラーパネルが載っていて、太陽熱から暖房とお湯取りを、太陽光で発電をしています。 | |
大きな南側の屋根に対して、北側の屋根は小さくなっています。南側の屋根を大きくしたため、屋根が高くなったことを利用して屋根を2段にしてその間にハイサイドライト(高所壁付窓)を設けています。 | |
北側のアプローチは雨天でも濡れないようにテラスを設けています。 コンクリート金ゴテ押さえの土間に瓦タイルを埋め込んでアクセントをつけています。 | |
アプローチから続くテラスは玄関の先は設備機器を収納する場所としています。 構造を兼ねた表しの筋違いが見た目のアクセントになっています。 | |
中廊下は吹き抜けにしてハイサイドライトを北面の壁に取り付けていますので、日が当たらない廊下なのに1日中安定した光が入り明るい廊下になっています。夜は上向きに取り付けられた照明で柔らかな明るさのある空間に演出されます。 | |
この太陽熱利用システムを施工するにはいろいろな条件があり、難しい状態だったため当時話題になっていた高気密高断熱住宅ではどうですか?とお話をしました。
しかしお施主さんはどうしても環境によりやさしいこのシステムを使って建てたいという思いを胸に、施主という立場で開発元と交渉をしてくれました。
そしてお施主様の熱意により、特別にこのシステムの施工が可能となりました。
普通の高気密高断熱住宅をやっていたら今の私達の考え方は持たなかったかもしれません。
そういう意味でとても良い経験をさせていただいたと感謝しています。
この家は学校を卒業してから実家に戻り家業を始めてから、初めて設計をした思い出のある家です。
早いもので2017年で竣工から約20年ほど経ちました。人間で言えば成人式です。
現在も大きな問題はまったくなく快適な住宅として存在しています。
設備に関するメンテナンス数回(パッシブソーラーのファンユニット交換や給湯器交換)と濡れ縁の改修を行った以外は大きなメンテナンスはしていませんが、暮らしに問題はなく、
快適な暮らしをされています。
太陽熱・太陽光・雨水利用の各システムも順調に稼働しています。
夏の冷房は寝る前の1時間程度が通常、暖房も食事を作る際の加熱機器の熱と
電熱ヒーター1台が基本で、太陽が顔を出さない日などにエアコンなどを動かす程度と
あまり光熱費のかからない生活を続けていらっしゃいます。
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